キャメロンハイランドの洪水
Heavy rains cause mud flood in Camerons, one dead - Nation | The Star Online
色々と記事を見ているとRinglet、 Bertam valleyという地域がかなりの被害を被ったらしい。
丁度この二週間くらい前にJ氏とRingletの辺りをうろついていたので、紙面に載ったRingletの洪水後の空撮写真は中々に衝撃的だった。
あ、洪水前の写真です、あしからず
その後、洪水の話が落ち着いてくるかこないかというタイミングで、不法移民により違法に開拓された農地の話が持ち上がってきた。農地のむやみな開発が、洪水に弱い土地の構造を作り上げてしまったようなのだ。
ある記事においても、昔のキャメロンハイランドは水が綺麗で、魚が沢山採れたのに農地開拓のせいで川の水がテータリ（マレーシア式ミルクティー）みたいだよ〜、と嘆いている人の話が載っていたが…川の水がテータリなんてふざけたこと考えるの僕だけじゃなかったんだな
パハン（マレーシアの州。キャメロンハイランドが属する）のスルタン（昔ながらの統治主、って言ったところか）は違法農地について、
Illegal farming has been in existence since the British (colonial) times. It's an infectious disease.
"They cannot go on doing this. We must put to an end (to illegal farming)
違法な農地開拓は、イギリス統治時代から続く悪習だ。感染性の病気のようなもの。（中略）必ずや、これに終わりを齎さなくてはならない。
Heavy rains cause mud flood in Camerons, one dead - Nation | The Star Online
と言ったそうな。まあ当然だわな。
しかしアメリカで不法移民が農業の担い手として重視されているという話と同様の事情が、こちらキャメロンハイランドにもあるらしい。
“If they don’t hide them, who’s going to work (in the farms)?”
もし雇用主が不法移民たちの存在を隠さないでいたら（そして不法移民たちがいなくなってしまったら）、誰が
農場で働くというのです？
Heavy rains cause mud flood in Camerons, one dead - Nation | The Star Online
どうやらマレーシア人からは農場での働き手はあまり出ないようですな。
実際キャメロンハイランドはインド系が多い。インド料理屋が多く、チャイまで飲める。
この国マレーシアでは、雇用はだいたいの場合人口における人種比に基づいて行うことが求められている。つまり、マレーシア人（ブミプトラ）はより容易に仕事に就くことが出来る。逆に、移民は費用もかかるし、雇うのは難しい。
上記の記事によると、
- 法的に問題なく移民した従業員でも、雇用主の側がパスポートの更新に払うお金がないために違法となってしまう
- 移民を雇うためには公的機関による調査が必要だが、それが短くても６ヶ月以上かかる
- 飛行機代を除いても、移民をこちらに連れてくるだけで4000RM（14万円）程事業主が負担しなければならない
- 上記をクリアできても、渡航二週間前までに健康診断をしていなかった場合は本国に送り返される可能性がある
いや、大変ですわ。特に14万なんてとても払えたもんじゃねえ。
現地人たちは農地であまり働きたくない、働き手がいない上に外部から連れてくるにもこんなに大変、そりゃ不法移民増えちまいますよね。デフレスパイラル的な闇を感じる。あの美味しいチャイはキャメロンハイランドの抱える闇だったのだと思うと
ナジブ首相やスルタンが言ってる通り不法移民駆逐しちゃったらどうすんだろう。働き手結構減っちゃったりしたらさ。BOH teaとか、大丈夫なんかね。
追記：
なんか、移民、合法化するってよ。
Move to legalise highland illegals - Nation | The Star Online
まあ、そうですよね、働き手いなくなったらみんな困るし。
Cameron Highlandに来るのは給料がいいからだぜ！という記事もあり。
月1000rm（約３万３０００円くらいか？）が最低限の相場らしい。
Good wages lure illegal immigrants to Camerons - Nation | The Star Online
マレーシア人がこういう仕事嫌がる一方で不法移民は給料の良さにやってくる…という、まあ前述の通りの話なんだけどね。
