水濡れインコ

備忘録

ホルモン治療始めてからの経過(FtM)

今月でホルモンを打ちはじめて(たぶん)2年になります。

自分がFtMだということはあまり不特定多数に明かしたいとは思わないほうなのですが、
当時ホルモンを打ち始めるにあたって、いろいろ調べ回ったので、
これから診断を貰いにいこうと思っている人、ホルモン治療を始めようか悩んでいる人、
ホルモンを打ちたいけどその後が気になる人が読んでくれたら幸い。

まず、時系列を挙げる前に、私が持ってた疑問とその結果を書いてみます。
かなり、人によりけりとは思います。

・ニキビは出来るのか
できます。ものすごいできます。ホルモン打つ前は一ヶ月に1個ニキビができる程度だったのですが、
打ち始めてから常にどこかしらニキビがあります。背中にすらあります。
元々脂が少ない体質(乾燥肌でした)なのか、顔中ニキビとはなっていませんが。
元から脂っぽい肌の方は、かなり出ると思います。

・太るのか
太りませんでした。家系的に太りづらい体質なので、太ることはないだろうなと思っていましたが、
打ち始めた後も、体重の増減はありませんでした(つまり、運動しないと筋肉もつかない)。
食欲もあまり変わりませんでした。

・生理ってどのくらいで止まる?
私は、打ち始めた月からもう来ませんでした。
生理痛も生理前の気分の上下もまったくない、いいヤツだったんですけどね…。サイナラ…。
性欲増えます。元からめちゃくちゃありましたけど。

・胸ってしぼむ?
脂肪部分は筋トレすればしぼむ。乳腺は減らない。

・健康に影響はあった?
今はニキビ以外特段ないです。今は4ヶ月に1回の注射なんですが、
将来住める地域が限られるなとは思います。
あと、注射代が重いです。4ヶ月に1回、25000円くらいです。
2~3週間に1回のエナルモンデポーならもう少し安くあがるとは思いますが、
その頻度で病院に行くことを考えると、4ヶ月に1回のネビドーのほうが私は良いです。

・筋肉増える?顔つき変わる?
筋肉は、何もしなければ特に増えません。脂肪の付き方は変わりますけれど。
顔つきも、骨格が出来上がってるのでほとんど変わりません。頬の脂肪がほんの少し減ったくらいでしょうか。
今でも、髪を伸ばせば女性に見えるかと思います。喋れば「あ、男だな」って納得してもらえるくらいですが。
人が性別を判断する際、声の存在感は非常に大きいと思います。
あとひげは生えますが、私の場合は家系的に薄いようで、言い訳程度です。
それでも剃らなきゃならないくらいには生えるので、正直、処理が面倒くさいお荷物にしかなっていません。笑
あとすね毛生えますね。

・2016年3月(2年前)

正式に性同一性障害(障害とは呼びたくないですが)という診断をもらい、ホルモンを打ち始める。
これ一本で大分体が変わってしまうというのに、結構あっさり打たれたもので、
こんな簡単に終わるんだな…と思いながら、お茶の水駅まで歩いたのを覚えています。
そうです。有名な某所で打ってます。
エナルモンデポーを尻のかたっぽに打たれました。いつも注射してくださる女医さんがいらっしゃるんですが、
相当腕が良い方なのか、エナルモンデポー打ってる期間は1回それなりに痛かった以外は
特段痛みを感じたことがないです。インフルの注射より痛くないです。

・2016年4月頃(1年11ヶ月前)

声が変わり始めます。
いろいろブログなどを見ていて、声が変わり始めるのは3ヶ月~とか見ていたような気がするのですが、
私の場合は1ヶ月ほどで「あ、声変わりなんだな…」と感じ始めました。
声が全体的に落ち着くまでには半年~1年だと思います。変わり始めは分かりやすいけれど、
落ち着くってのはちょっとわかりにくいですね。

・2016年7月頃(1年8ヶ月前)

この頃には完全に男声だったと思います。まだ若干声変わり入ってたと思いますが。
私の以前の声を知っている、留学時代の友人と話して「うわめっちゃ変わってるwww」と言われたのが、この頃だったはずです。
この頃には体つきも大分変わってきました。特段運動をしていたわけではないですが、
尻周りの脂肪が一番分かりやすく落ちました。

・2016年9月頃

大学を卒業して、トランスジェンダーオープンにして就活したんですが、
就活そのものが無理過ぎて1月頃に就活をやめました。この頃からしばらくADHD関係で通院します。
ADHDの疑い自体は大学在学中からあったので、ホルモンによるものではないです。

・2017年9月頃

バイトでオフィスワークをしていました。先方にも事情を伝えて、男性としての就業でした。
もちろん男性トイレに入っていました。周りには全く事情はバレてなかったと思います。
一度男性トイレ内で男性の別部署の方に部署どうですか~と世間話をされました。
ホルモン打つ前だったら絶対安心して喋れないシチュエーションだったんで、ホルモン打ってよかったなと思いました。

ホルモンを打つってのは、自分勝手だとか、ただそうなりたいから、っていうのではないです。
私が治療を決めたのは、友人から、これから私が生活していく上で直面するであろう不都合を指摘されたためです。
あのときの言葉は、当時はつらく感じましたが、今ではものすごく感謝しています。

ホルモンを打つ、というのは、自分がこれから何不自由なく社会生活を送っていくための処方箋のようなものです。
今、ホルモンを打つ前の方とか、迷っている方は、これからの社会生活がどんな風になるかとか、
自分がそれで納得するか、ってのを考えてほしいなと思います。
打った後は二度と元には戻れませんので。

・2018年1月~2月

ふるさとワーキングホリデーin高知
(参照:ふるさとワーキングホリデーin高知に行ってました - 水濡れインコ
にて、文旦の収穫をしました。
田舎って、こういう人に対してどうなんだろう?と最初は不安に思っていました。
先方にトランスジェンダーであることは伝えてありましたが、就業し始めてしばらく経った頃に、
一緒に働く方(勿論高齢の方も2,3人…)にもその事情を伝えられてた事を知りまして。笑
特段隠してくれとは言わなかったので、知ってたのかい!って感じでした。
ただ、私を受け入れて下さった方の周りが特別だったのかは分かりませんが、皆さん普通に接して下さいましたし、
何なら「あんまりそういう人のこと知らんから」と、いろいろ聞いてくれもしました。
70代のおじちゃんなんかとは、シモの話もしました。これ面白かったのでいつか書こうと思います。

私がしていたのは畑仕事というか、肉体労働でしたので、始めは皆さん結構心配してくださってたみたいです。
自分で言うのもなんですが、精一杯働いてはいたので、結構気に入ってもらえまして…多分。
トランスジェンダーというのはあくまで一面に過ぎないです。
ホルモンを打っても、性格は全く変わらないので…。
まあ不便っちゃ不便なんですけどね。金かかるし。

・2018年3月

派遣で就業が決まりました。
もう男性としての生活も長いので、就活の頃みたいにトランスジェンダーをオープンにはしませんでした。
週5の就業が始めてなので、しっかりやっていけるかは不安なんですけれど、
服装自由で就業内容も希望通りの所にOKを頂いたので、精一杯頑張ろうと思っています。


その他気付いたことがあったら随時書き足そうと思います。