水濡れインコ

備忘録

意地を張るゲロイダー

1/21
朝、再び寒すぎて起きました。
山の上だし、そりゃあ寒いか…。1月はインドもまだまだ冷え込むみたいです。
この直前に身内のアレソレで一時帰国してたんですが、ダウンを日本から持参してきていて大正解でした。

隣でJ氏が起きました。
どうやら、トイレに行ったようだった。
二度寝しようかと思ったが、ここで事件は起こった。

J氏が盛大に吐いたのだ。

盛大すぎて、もらいゲロするかと思った。
私が人生今まで聞いた中で、確実にトップクラスのド直球嘔吐だった。


ワイ「お前、いい加減病院行けよ」
J氏「休めば大丈夫、吐いたら行かなきゃかな〜ハハハ」


休んでも悪化してるじゃねーか。

私は取り敢えず、寝たふりをした。
けして意地悪ではない。彼の自己管理力を試す為である。旅では自己管理力が重要だ。

案の定、私が二度寝から覚めた後、J氏はトレッキングに行こうなどと言い始めた。
ぬかしよる~!

とりあえず、怪訝な顔で見つめてみる私。

私の含みが顔から読み取れたのだろう、
「…朝吐いたけど、今は大丈夫、行けると思う」
と、素直な告白が返ってきた。

よろしい。
しかしだね、その判断は頂けんよ、君。

「悪いことは言わないから病院行きなさい」
「いやでも」
「行きなさい」
「…分かった、そういえば保険はまだあったし、インドは医療費も安いそうで」

おい。
保険、あったのかよ。
なんだよ。なぜ、来る前に、確認しないのか。
そしてなぜ、わたしは、インド人ではなく、相方にしつこくツッコミを入れ続けなければならないのだろうか。
私が見たインドブログは、ことごとく、インド人にツッコミを入れていたというのに、
この相方は、インド人のインパクトを凌駕している。

そして、ホテルを出た瞬間、「本当に何ともない、大丈夫、行ける!」とまた意見を翻そうとするJ氏。
インドに骨うずめたいの?なんなの?

有無を言わさず病院に連行する。
医者は凄く穏やかでちゃんとした感じの人(英語もうまい)で、なんでこんな人がこんなど田舎観光地にいるんだろう…と不思議に思ったことを覚えている。
ここが故郷とかなのかな?
一応mahabaleshwarはインド国内ではそれなりに有名な(たぶん)観光地っぽいから、それでだろうか。

嫌々連行されたせいなのか、はたまた体調が優れないせいなのか、説明がなげやりなJ氏を私がフォローしつつ(病状の説明とか)、何とか診察を終える。
幾つか錠剤を貰うJ氏。なんと5ルピー。チャイより安い…。

J氏が行くと言って聞かないので、トレッキングというか、散歩に行く。
でも、この時行っておいて良かった。翌日は、とても行ける状況にはならなかったからだ。
もしかしたら、J氏自身もなんとなくそれを予想していたのかもしれない。

J氏の歩みは、20歳の男性とは思えないほどのろい。いつも通りのペースで歩いてしまうと、後ろから、
「はやいよー」「まってよー」
と、J氏の呼び声が聞こえてくるのだ。
かといって、ペースを落として歩くのもそれはそれで面倒なので、
先に行って道を物色しつつ、後から来るJ氏を待つような散歩だった。

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Willson Point
正直ただの山だが、周りがそれなりに広い岩場なので、日本とは違った風景が楽しめる。
植生が明らかに日本と違うし、火山活動でできた地層が遠く、しかしハッキリ見える。あー、インドでかいな、と思えるスケール。
このグランドキャニオンのような地層を持つ山脈はデカン高原に特徴的なもので、デカントラップと呼ばれているらしい。
昔、インドが現在のユーラシア大陸にぶつかる前、現在のレユニオン島あたりで大規模な火山活動を起こしたそうだ。
今は、地球上で最も広大な火山活動の痕跡、らしい。

石好きなので、記念に火成岩っぽいそのへんの石ころをいくつか拾って帰ってきた。
黒くて穴がぽこぽこ空いていて、サイズの割りに妙に重い石である。
デカントラップは玄武岩質と聞いていたので、おそらく玄武岩だろう。

そういえば、ここmahabaleshwar、日本人どころか欧米人すらいない。ほんとにインド人しかいない。
私達は何を隠そうたった一組のいいカモなのである。まだカモられてないけれど。
インド人にもいろいろいる。物凄く商売っ気のある人もいれば、そうでもない、穏やかな人もたくさんいる。

夜、私は疲れてふて寝してしまった。
J氏が元気になってきたので、次の行き先調べをJ氏に任せた。頑張ってくれ。